インド型変異株について
変異株の真実(デルタ株)

June 29,2021

 SARS-CoV-2はとても変異の多いウイルスと言われています。
 月に直すと、だいたい2,3個の塩基が変異する印象です。

 まず武漢株が中国本土で流行り、ヨーロッパではスパイク蛋白部分のアミノ酸の
614番目の変異株が流行りました。

 その後昨年の年末くらいから、イギリスでスパイク蛋白部分の
501番目にN501Yという変異が起こり、これが世界中に広まりました。

 日本でも少し前まではほとんどの感染がこの変異株だと言われています。今は従来株より1.95倍感染力が強いと言われている、インド株が脅威となっています。

 
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  まずイギリス株について、今朝気が付いたことがありました。

 double CGGについて説明した図を見てみます。


 

 
この図でWild-typeの塩基配列が重要になります。

 イギリス株ではN501Yに加えて、furin cleavage部分の681番のP=プロリンがH=ヒスチジンに変異していました。


 
とうことで、イギリス株は、RBDのN501Yの変異より、furin cleavage部位の変異が感染力の強さに影響してるのではないかという気がしました。

 

 
 
 さて、本題のインド株の変異についてです。

 変異株なんてどうでもいいやと思っていましたが、TV等でやたら変異株について、

 感染力が今までの従来株の1.95倍の感染力があると、京都大学の西浦教授が言ったとのことで、相当感染力が強いのだろうと思っていました。

 昨日、論文を探してみるかと探してみました。Natureのも1通ありましたが、あまり面白そうな内容ではないので、プレプリント版の論文を見ていました。
 
 本文はあまり大したことが書いてないので読む必要はなさそうでしたが、面白いことに気が付きました。


 
このインド株もfurin cleavage部位が変異しているのです。

 塩基の変化は不明ですが、イギリス株と同じ681番のアミノ酸がP=プロリンからR=アルギニンに変異しているのです。

 このアルギニンがもしCGGだとしたらCGGが3個並ぶことになります。これまた自然界では起こりにくい現象だと思われます。

 さらに不思議なのが、29000個以上ある塩基の中で、イギリス株とインド株が同じスパイク蛋白の681番目のアミノ酸が変異したということです。

 偶然としても不自然な一致だと思いました。

 下図は昨日見つけた変異株の論文からのシェーマです。


 これを見ると、インド株はヨーロッパで当初流行ったD614Gの変異がベースにあるのが解ります。

 furin cleavageの変化を考えると、パンデミックが起こって以来、世界中を悩ませている変異株がヒトの手によるものではないかという妄想が湧いてきます。

 今後も同じことが繰り返される印象です。



 上記の論文は次の通りです。
Convergent evolution of SARS-CoV-2 spike mutations, L452R, E484Q and P681R, in the second wave of COVID-19 in Maharashtra, India 

 
 
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